さんまのアレコレ Ⅰ
さんまのアレコレ〜週刊現代15/10/10号より〜 その1
秋の味覚でお馴染みのさんま。
誰もが知っている、いわば庶民の魚ですが、実は、まだまだ謎の多い魚。
今回は、週刊現代さんより
「さんまの一生」という素晴らしい記事がありましたので、ご紹介いたします。
・さんまはどこで生まれ、どこからくるのか
さんまの生態が解明されたのは、実は最近のこと。
「さんまの寿命は約2年。日本近海の太平洋側で孵化すると、黒潮に乗って餌が豊富な北海道東方沖に北上します。
そこで栄養を蓄え、8月半ば頃から南下。」漁も最盛期となります。(漁業情報サービスセンター・渡邉一功氏)」
一年中産卵し、群にも様々な大きさの個体が混在する為、詳細な動きを追うのは難しい。
「近年、さんまの数は減少しています。地球温暖化などが原因と言いますが、
実は増減は昔から繰り返されており、一概には言えない。まだまだ謎の多い魚です。」
さんまは、エサを求めて回遊しながら、半年で約20cm、1年で30cm近くにまでなる。
また、さんまの回遊ルートは、卵から孵化すると豊かなエサを求め、
春から初夏にかけてロシア海域に北上。夏が終わり、水温が低下すると、産卵のために再び日本周辺に南下する。
・日本の「秋の風物詩」が食べられなくなる!?
今、さんまの資源が重大な危機に瀕している。
台湾を中心とする、公海(どこの国にも属していない海)での外国漁船の乱獲が主な原因だ。
「中小型漁船が多い日本に対し、台湾は冷凍設備も備えた大型船で漁業を行います。」
(前出・渡邉氏)
台湾は、獲ったさんまを主に中国に輸出し、大きな利益を上げている。
今夏、さんま資源を保護、管理するため、日本、カナダ、ロシア、中国などが参加し、「北太平洋漁業委員会」を設立。
日本主導で漁獲量の調整等が進められている。
台湾船は、ロシアの排他的経済水域で拘束されたりもしている。所謂、密漁船だ。
船内からは、大量の冷凍さんまが発見された。
・コラム1
なぜ水族館にはさんまがいないのか。
現在、さんまの飼育と繁殖に成功したのは、世界でも福島の「環境水族館アクアマリンふくしま」のみ(現在は展示休止)。
「さんまは光や振動の刺激でパニック状態になるなど非常に神経質。
また、触れるだけでウロコが剥がれて死んでしまうため、飼育が難しいのです。」
(同水族館山内信弥氏)
・・・・・その2へ続く・・・・・
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