本来の醤油とは・・・
本来 醤油は 大豆と塩だけで出来ます。
香り等のバランスの為に小麦を入れるくらい。
まず 現代では醤油の原料仕込みからビン詰めまですべてを一貫して行っている醸造元は全体の1割ほどしかないと言われています。
多くのメーカーは元になる(生揚げ醤油)を仕入れて加工しているとのこと。
これらは大手に対する中小企業の組合活動によるものも多い。
また一般的に「脱脂加工大豆」が良く使われているがこれは戦後の原料不足の時に政府から丸大豆の使用が禁止された名残で 本来醤油には不要とされる脂分が最初から無いので扱いやすいという理由もあります。
僕個人的には脂分も有ったほうが やはり美味しいと思いますし脱脂加工大豆は遺伝子組み換え大豆の混入の恐れもあり やはり国産丸大豆が安心。
ちなみに現在醤油に国産大豆が使われているのは約2%程度と言われています。実際国産大豆は5~10%あると言われていますが大半は豆腐や納豆に使われてしまうことが多いそうです。
写真1番が 一般的な物
2番も本醸造ですが 速成のためか そのままでは旨味が足りないので色々入っています。
3番 4番は (混合)と書いてあります(九州や東北の一部地域に多いタイプ)。
これらには原材料に「アミノ酸液」と書いてあります。
これは ある意味「たん白加水分解物」の液体版の事。
「酸加水分解植物性たん白」とも言い 脱脂加工大豆、小麦グルテン、コーングルテンなどの 植物性たん白に塩酸を加えて加熱し、たん白質をアミノ酸に分解したものです。
最終的には 水酸化ナトリウム等で中和し 濃縮したり濾過したものになります。
日本では、液体の酸加水分解植物性たん白を、原料として使用する場合「アミノ酸液」と呼んでいます。
(前述の アミノ酸液とは さらに別)や、ぶどう糖果糖液糖(甘み)まで入っています。
この 3番4番は 九州や東北の一部地域で好まれるタイプで俗に甘い醤油と言われます。
ただ こういったものですと醤油をかけていたら 意識しない内に化学調味料を かけているのと同じになってしまいます。
何事も量が問題ですから 自覚が無いというのは問題です。
特に 塩分が まろやか・・・と錯覚しやすい化学調味料入りでは 常に塩分過多になりがちです。
元々(昭和に入るくらいまで)醤油は本醸造のみでした。
それが現在は 早いもので2~3ヶ月、
一般的な物で6ヶ月程度で作る事が出来るようになりました。
(スピードと経済性の産物)
本来は最低でも1年半 ふた夏 掛けて発酵熟成させた物なのです。これは気温の高い夏場にだけ発酵が進む為 他の季節は発酵かなり遅いため。
是非 一度 ふた夏 掛けた醤油も味わってみて下さい。
それが本来の醤油の味です。
見分け方ですが そういう醤油には それが最大のアピールポイントなので 必ずその旨が書いてあります。
一から作る 本物の醤油づくりは一度 蔵を止めてしまうと微生物の環境が変わってしまうために二度と同じ味は作れないとも言われています。
そんな貴重なお醤油を 是非探して味わってみて下さい。
- a seed 現代自然派調理研究家&プロデューサー Jeff -
元々臨床検査会社に勤めていた所から健康的な食事に
興味を持ち、現在は静岡県焼津市の会員制レストランで
食事と健康についての研究や料理プロデュースをやらせて頂いております。
https://www.facebook.com/jeffrielau
過去記事は目次代わりにpinterestに貼ってありますので、いつでもご覧ください。
彦根市の坂根龍我さんの漆作品などの一望は waca-jhi's diary 。