外食産業の内部告発や医療関係の内部告発系の書籍が増えてきました その1
必見!『激安食品が30年後の日本を滅ぼす!』著・河岸宏和氏 その1
近年、外食産業の内部告発や医療関係の内部告発系の書籍が増えてきました。
その中でも、一際目に止まったこちらの本。
『激安食品が30年後の日本を滅ぼす!』
まさに、私が普段から訴えていることがタイトルになっておりましたので、購入いたしました。
ちなみに、著者である河岸宏和氏は、
先日ご紹介した週刊文春さんの「あぶない「激安食品」はこうして見破れ!」にも登場しております。
F.B.pageから転載させていただいています。
・河岸宏和・・・・・・・・・
1958年北海道生まれ。「食品安全教育研究所」代表。
帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓に届くまでの、様々な食の現場で品質管理に携わる。
養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、ギョーザ・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。
著書に『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます』『スーパーの裏側』『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』などがある。ホームページ『食品工場の工場長の仕事とは』を主宰。
今回は、この本の中でも特に私が気になったところをご紹介していきたいと思います。
興味深い内容の数々、ぜひご覧ください。
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〜入社したハムメーカーで、偽装を目の当たりに〜
大学を卒業し、大手ハムメーカーに入社すると、研修を受けることになりましたが、そこで私は、驚きの声を上げました。
ハムの原価計算の過程を見ていたときに、生の豚肉の価格よりも、製品として包装されるときの価格の方が安価になっていたからです。
なぜかといえば、肉以外に、安価な植物性たんぱくなどをたっぷり使ったハムを作っていたからです。
私が大手ハムメーカーに入社したときは、肉100%に対して、植物性たんぱく、乳たんぱく、卵たんぱくなどで作成したピックル液を60%程度注入し、ロースハムを作っていました。
「それがロースハム?」と思うかもしれませんが、日本の法律では、豚肉のロース肉を少しでも使用していれば、ロースハムと呼んでよいのです。
こうした杜撰な法律があるため、歯止めが効かなくなります。
ハムを卸している肉屋から「もっと安くならないか」と言われると、私の会社の営業部門は、生産部門や工場に対してハムの原価を下げることを要求してきました。
本来であれば、こうした原価の削減は、流通経費の合理化を行う、生産性を向上させ、人件費を下げる、生産設備等の効率化を行うなど、正当な方法で努力をしていくべきなのですが、私のいた会社は、そんな方法には目もくれず、ピックル液の注入率を上げる道を選びました。
その最前線にいたのが私でした。
ピックル液、水の注入量を増やせば単純に原材料コストが下がります。しかし、ただ注入率を上げたのでは、商品にならないので、着色料を増やし、化学調味料の量も増やすことで、現状品と食べ比べても違いのわからないレベルに仕上げていきました。
毎年10%ずつピックル液の注入量が増え、最終的には210%と、なんと豚肉の量よりもピックル液の方が増えてしまったのです。
そして、恐ろしいことに、私はこうした偽装を「しょうがないこと」と、いつのまにか受け入れるようになっていました。
こうした自分自身も加担していた”業界の闇”も含め、それらを私は『スーパーの裏側』や『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます』(共に東洋経済新報社)などで告発してきました。
つづく
過去記事は目次代わりにpinterestに貼ってありますので、いつでもご覧ください。