ほうろく屋 杉崎さんのお話 第4話 バラック小屋からのスタート
菜種油の ほうろく屋 杉崎さんのお話 第4話。
さて、スタートとは言っても問題が山積みで身動きがとれず、ポツンと何時間も妄想していた事を思い出す。
この頃まだ、自分が納得できる菜種油ではなかったため、満足に勉強を行う環境つくりから動き始める。
経験を積むためには原料菜種の確保が必要。
日本の国産菜種自給率は0.1%、ほとんど流通していない。
カナダなどからのキャノーラ種(遺伝子組み換え)菜種を使用すれば、すぐに仕事ができた。
しかし、ほうろく屋の原点は『食を通して、みんなを笑顔にしたい』。だから国産菜種にこだわり、更に厳しい道を選んだ。
まず、菜の花プロジェクト西尾を立ち上げ、地元の耕作放棄地を開墾し菜種栽培。
近隣の循環型社会に取り組む市町村や菜の花プロジェクト団体、生涯学習に関わる各女性部、地元農家へ連携協力と菜種栽培復活のお願いに走り回る日々。
そして少しずつ原料菜種が集まり始める。搾油できるのがたまらなく嬉しかった。
もちろん、バラック小屋では食用油脂製造業の許可が受けられないため、全てボランティアで搾油。
仕上げた菜種油をお返しし、各団体の食育イベントなどでドーナツやてんぷら祭りで使用してもらい、市民の方々に振る舞った。また、自給用の食用油にした。
この取り組みの実績から、多くの人と出会い、菜種油が評価され、自分の作る菜種油の力強さを確信する。
時は満ちた。
25歳より起業し、貯えた物も全て底をつく。
循環型コミュニティー『心の駅 いやしろち』の活動継続のため、命懸けで突き進む。
平成24年7月10日、現在の愛知県西尾市西浅井町に工房を新設。
二代目『ほうろく屋』と屋号を変え、先代 大嶽製油所より継承した古き良き菜種油の販売が始まるのである。
- a seed 現代自然派調理研究家&プロデューサー Jeff -
元々臨床検査会社に勤めていた所から健康的な食事に
興味を持ち、現在は静岡県焼津市の会員制レストランで
食事と健康についての研究や料理プロデュースをやらせて頂いております。
https://www.facebook.com/jeffrielau
過去記事は目次代わりにpinterestに貼ってありますので、いつでもご覧ください。
彦根市の坂根龍我さんの漆作品などの一望は waca-jhi's diary 。