愛知県小牧市 清水シェフのお話♪
師との出会い
料理人を目指し自分でお店を持つまでの期間 多くの先輩達に師事してきました。
その中で「おやじ」と呼び慕う方がいます。
僕の料理人人生というより清水勝久の礎になっているとも言える位に料理を学びスピリッツを感じる日々でした。
京都の専門学校時代にアルバイトしいたエスニック料理店で働いていた時の店長の紹介で休みの日に研修させてもらったのが25年前、フランス料理のフの字も分からない僕に分かりやすく教えてくれました。
紹介してくれた店長もおやじの弟子で いまだに電話があると直立不動になるくらい存在感があるのですが、僕は気さくに冗談を言える関係です。数年後、縁があり弟子入りすることになりました。
分かっていたとはいえ手のひらがひっくり返るくらい厳しくなり修行の始まりです。 おやじは研修生やアルバイトの子達には一切怒りません。
仕事が終わり二人で食事にも出掛けましたがそこでは仕事の話も一切無くお酒も自分のペースで飲めば良いというスタンスでしたから ここで僕はオンとオフの切り替え方が身に付きました。
僕が師事していた頃は、おやじも角が取れてきていましたから手こそ出ませんでしたが先輩達は身をもって学んできたと聞いてます。
僕は時折 鬼の形相で怒られた事がありましたが目をそらすわけにもいかず 至近距離でまさに「蛇ににらまれた蛙」の状態でした(笑)
日頃から尻の重い僕によほど不甲斐なく思ったときは「おはようございます・賄い出来ました・いただきます・ごちそうさまでした・すいません・お疲れ様でした」だけの会話が2週間続いた事もありました。
そんなある日おやじが、「お前辞めよう思うてるやろ?」と聞いてきたんです。
「僕に与えられている試練だと思っていますから乗り越えます」と答えたら、「上手い事言うなぁ 許したるわ」と僕自身は訳も分からず許された事もありました。
根拠無くフランス料理だから和の食材は使ってはいけないと思い込んでいた扉を開けてくれたのもおやじです。
京都ゆかりの湯葉・西京味噌・抹茶等ごく自然に溶け込んでいました。
醤油こそ使いませんけど、気に入った食材・調味料を用いてそこにフランスのエッセンスを吹き込むように心がけています。
いつ頃からか忘れてしまいましたが、おやじが僕に料理について色々投げかけてきて意見を求めるようになりました。
何故僕に聞くのか質問したら、「わしが認めた料理人やから」と言われた時には目頭があつくなりました。
散々「お前の料理には愛が無い」と言われ続け悩み考えた僕がおやじに近づけたと感じた一時でした。
そんなおやじが京都をイメージして創作したデザート、
「ムース・ド・京都」
生八つ橋の中にはアールグレイのムースに抹茶のソースを添えた一品。
シュシュのグランドメニューに載せる時には相談しました。
「お前ならかまへん」とありがたく言ってもらい敬意を表してご用意しています。
当店でしか味わうことの出来ないデザートです。
自分の作った料理を通して 師事してきた先輩達の評価にもつながると思っていますので それを糧に恥じない料理をお出しするよう心がけています。
_______________
「身体」にご褒美!
生産者の“想い〟まで 心に届く料理を目指し、愛知県小牧市でフレンチレストランをやっています。
オーナーシェフ 清水 勝久
https://www.facebook.com/katsuhisa.shimizu
フレンチレストラン「シェ・シュシュ」
https://www.facebook.com/chezchouchou.jp/
_______________
- a seed 現代自然派調理研究家&プロデューサー Jeff -
元々臨床検査会社に勤めていた所から健康的な食事に
興味を持ち、現在は静岡県焼津市の会員制レストランで
食事と健康についての研究や料理プロデュースをやらせて頂いております。
https://www.facebook.com/jeffrielau
過去記事は目次代わりにpinterestに貼ってありますので、いつでもご覧ください。
彦根市の坂根龍我さんの漆作品などの一望は waca-jhi's diary 。