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《食⇔健康をもっと知ろう》

アレルギー医療の常識が変わった?! その1(~2)

 -- 最近はこの種の記事が多く見られますが、アナフラキシーショックなどの危険と隣り合わせですから、安直に素人判断で実行するのは避け、アレルギーに詳しい医師などと相談しながら進めるようにしてくださいね。waca-jhiより --

妊婦も赤ん坊も避けるより食べるべき!アレルギー医療の常識が変わった?! その1

週刊文春4月28日号より〜

衝撃の内容です。全文ご紹介いたします。

アトピー、アレルギーでお悩みの方。

妊娠中、授乳中のお母様は必見です。

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昨年大反響を呼んだNHKスペシャル「新アレルギー治療」が、追加取材を盛り込んで

『アレルギー医療革命 花粉症も食物アレルギーも治せる時代に!』として出版された。

自らも母親として卵アレルギーのこを育てる担当編集者が悩める母子のために新常識を紹介する。

「ええ!長男のときに聞いた話とまったく違う!」

昨年4月に放送されたンNHKスペシャル「新アレルギー治療」を観た筆者は、衝撃を受けた。

卵アレルギーを持つ長男を育てる中で集めたアレルギーに関する”常識”のほぼ全てを、番組は否定していたのだ。

当時、長男は4歳で、次男は生後4ヶ月。次男はちょうど離乳食を始める直前だった。

母乳以外の食べ物を口にするようになると、アレルギー症状が出る子どもは多い。いまや日本では、赤ちゃんの10人に1人が食物アレルギーを持っている。

長男が1歳になる直前、卵アレルギーが判明した際に受診した某国立病院では、こう説明されていた。

 千葉県幕張本郷のレストラン"スロフード小杉" の
F.B.pageの了解の基、紹介させていただいています。

 〜「従来の方針は間違っていた」〜

「腸が未熟なうちにアレルギー物質を食べると、アレルギーを発症しやすいんです。除去していれば小学校入学までには食べられるようになる子も多いですよ」

以来、卵を避ける生活を続け、3歳頃には血液検査の結果も改善。恐る恐る試した卵料理で症状が出なかったことから除去食は解除となった。お友達と同じものを食べられるようになった長男は大喜びして、卵焼きはお弁当の定番になった。

その後、次男を授かった際には、「妊娠中に卵や牛乳などアレルギー食品を食べ過ぎると、赤ちゃんがアレルギーになる可能性があります」と指導されていた。

ところが、NHKスペシャルで明かされたのは「妊娠中や授乳中の母親の食事や、赤ちゃんの離乳食でアレルギー食品を避けることは、アレルギー予防には効果がなかった」という、驚くべき新事実だった。

それどころか「アレルギー食品を避けることで、かえって発症リスクを高めていた」という研究結果も示された。

「妊娠中も授乳中もずっとアレルギー食品を避けるよう指導を受け、一所懸命、それを実践してきた。あれは間違いだったのか?」

アレルギーが猛威をふるうアメリカ。小児科学会が2000年に出した予防の指針にはこう書かれていた。

「子どもをアレルギーにしないためには、妊娠中、授乳中の母はアレルギー食品を避けること」

「乳製品を与えるのは1歳以降、卵は2歳、ナッツや魚は3歳以降」

子どもを持つ母親なら、一度は触れたことがある情報だろう。だが実はこの指針、権威ある学会が大々的に出したものにも関わらず、その根拠となる研究や調査はほぼ存在しない。

アレルギーは、ここ半世紀ほどで先進国を中心に患者が急増した”謎の病”だ。そにメカニズムは未だ完全には解明されていない。

そのため医師たちが手探りで積み上げてきた情報が”常識”となってきた。しかし、近年、次々と発表されている。

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 〜農場暮らしで症状が消える〜

アメリカで患者の多いピーナッツアレルギー。患者数は先述の指針を発表後も右肩上がりに増え続けていた。この事態を受け、ハーバード大学医学部准教授のマイケル・ヤング博士らが行った研究がある。

「ピーナッツをよく食べる妊婦と食べない妊婦、それぞれから生まれた子どものアレルギー発症率を調べたのです。すると、ピーナッツを多く食べた母親の赤ちゃんは、食べる回数が少なかった赤つ赤ちゃんに比べ、アレルギー発症率が半分以下でした」

同様の報告が相次いだこともあり、08年に指針は更新される。

新たな内容は「妊娠中、授乳中の母、または離乳食においてアレルギー予防に効果があるという科学的な根拠はない。アレルギー食品を避けることを推奨をしない」

随分と回りくどい。食べたほうがいいと推奨するには、まだ十分な科学的根拠がなかったのだ。

しかし、昨年2月のアメリカアレルギー学会で事態は大きく動きだす。

「子どもたちが非常に早い段階で敢えてピーナッツを食べることによって、ピーナッツを予防できると判明しました」

ロンドン大学のラック教授の行った実験には、親や兄弟にピーナッツアレルギーの発症者がいる、いわばアレルギーになりやすい赤ちゃん(開始時に生後6ヶ月〜11ヶ月)600人以上が参加した。

二つのグループに分け、グループAには、週に三回以上、一定量のピーナッツを食べ続けてもらい、グループBには徹底的に避けてもらった。

5歳になった時点で発症率を比較すると、グループBの17.3%に対し、グループAは3.2%。 つまり、たくさん食べたほうがピーナッツアレルギーを予防できていたのだ。

どんなメカニズムなのか、ラック博士はこう明かしてくれた。

「Tレグが関わっていると考えられます。ピーナッツを食べることで、ピーナッツという異物への免疫の攻撃を止めるTレグが作られる。それが将来にわたって、ピーナッツアレルギーを防いでくれているのだと思います」

 Tレグとは、正式名称を制御性T細胞という、免疫細胞の一種だ。実は1995年に大阪大学の坂口志文教授がこの細胞を発見して以来、アレルギー医療は飛躍的に進歩した。坂口さんは、ノーベル賞の有力候補とも言われている。

 坂口教授が解説する。

「体内には何十種類もある免疫細胞は、T細胞と呼ばれる攻撃司令官や、その命令を受けて実際に攻撃する白血球など、全て体内に入ってくる外敵を攻撃するのが役割です。

その中であって唯一、攻撃を止める働きを持つ細胞がTレグです。

 アレルギーの場合には、ある物質を免疫が間違って外敵を判定すると、同じ物質が再び侵入してきた際に、排除する反応が起こる。

花粉症ならば、くしゃみや鼻水、涙目。食物アレルギーでは、蕁麻疹や嘔吐、呼吸困難が起こり、時にはアナフィラキシーショックに陥ることすらある。

 こうした”免疫軍”の誤った攻撃を唯一、止められるのがTレグなのだ。免疫機能を自在にコントロールできる魔法のレバーのような存在なのだという。

「免疫の激しい攻撃が原因で起こる自己免疫疾患やアレルギーには、Tレグのレバーを上げれば、その誤った攻撃を抑え込むことができる。一方、免疫の攻撃不足で起こるガンには、Tレグのレバーを下げ、免疫の攻撃力をアップすればよい。しかもTレグは、誤った攻撃だけを抑え込み、免疫全体には影響を与えない。アレルギーに限らず、広範囲の病の治療のカギとなる細胞です」

このTレグを体内に多く持つ人々がアメリカにいる。キリスト教プロテスタントの一会派で、ヨーロッパから移民してきた200年ほど前の暮らしを守るアーミッシュだ。

彼らは車や電化製品など文明の利器を嫌い、放畜や農業を行って自給自足で暮らしている。

12年に行われた大規模調査で、アーミッシュの子どものアレルギー発症率は、都会の子どもに比べて花粉症で二十分の一、アトピー性皮膚炎で十分の一であることが確認された。その謎に迫ったのが、ミュンヘン大学のエリカ・フォン・ムティス博士だ。

「当初は特別な遺伝子の存在を考えた。しかし、同じルーツの人々と比較しても違いは見つけられなかった。残ったのが環境要因でした」

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 博士が見つけた環境要因は二つ。

牛や馬などの大型家畜を飼っていること。そして、非加熱の生の牛乳を飲んでいることだ。

「家畜と濃密に接触し、生乳を飲む暮らしでは、家畜の体内から出た細胞を日々、体内に取り入れている。すると都会の子よりも、血液中のTレグが35%も多くなっていたのです」

続く。

                            

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