遺伝子組み換え食品で起きた事例
遺伝子組み換え食品での初の事故として有名なものに トリプトファン事件がありますが その後どうも状況が変わっているようなのでご紹介します。
これは アメリカで 1988年末から1989年6月にくらいに、昭和電工が製造した必須アミノ酸である「L-トリプトファン」を含む健康食品を摂取した人の血中に好酸球が異常に増加して筋肉痛や発疹を伴う症例、好酸球増加筋肉痛症候群(eosinophilia–myalgia syndrome - EMS)が大規模に発生した事件。
FDAのサイトによると、被害は1,500件以上、死者38名と記録されている。
ただ 未だに この原因はハッキリとしていないらしい
経過としては こんな感じ・・・
当初、ドイツ企業からトリプトファン製品に不純物が検出されたので、昭和電工に不純物の性質について問い合わせがあった。
これに対し昭和電工はトリプトファンを生産する遺伝子組み換え大腸菌の、遺伝子をさらに変更し、不純物が発生しなくなる措置をとったが この対応によって新たな不純物が副産物として生まれてしまった。
しかし 昭和電工はこの不純物の存在を分かっていた上で、製品を出荷した。
そして この不純物を含む製品の出荷時期は、事件を発生させた製品ロットと一致していた。
このため 疫学的 因果関係が立証された という事になった。
以上の経過はアメリカの訴訟において確認された経過である。
最終的に訴訟件数は全体で2000件を超え、賠償請求額は2000億円に達したらしい。
ちなみに問題となる不純物によるEMS発生の機序は解明されてはいない。
この事件によりアメリカ合衆国においてはトリプトファン製品の販売は禁止される事になった。
その後 2001年に緩和された。
その理由は最終的に原因が特定できなかったという事ではあるが だからと言って 不純物が原因ではなかった。若しくは、 遺伝子組み換えが原因ではないと断定する事も難しい。
とにかく 原因が 分からないのです・・・
2014-08-10に紹介させていただいた記事の再掲です。
でも 少なくても僕はこう考えます。
単一の成分を効率よく生産し それを摂取しようと思わない事。
自然が良くて人工がダメという理屈ではなく 過去の事例を見てみると ほとんどの場合 成分が極端に純粋な物を大量に摂取する時には 必ず何らかの問題が発生する事が多いと思います。
トリプトファン自体 自然なものに含まれる物であって一般的にはナッツ類や豆 肉、魚、種子、豆乳や牛乳等の乳製品に含まれている成分。一般的にタンパク質が多いものに含まれている傾向があります。
またトリプトファン自体は必須アミノ酸ですが 単一で摂取すれば効果があるという物でもなく 必須アミノ酸9種類をバランスよく摂取する事の方が良いとされています。
また一日の摂取量の上限の目安は6000mg以下/日と言われています。
やはりここでもバランスに行き着いてしまいますが・・・
結局 何でもバランスが重要。
バランスなくして すべての存在・・・
例えば宇宙や自然のの存在すら有り得ません。
人間も そんな宇宙や自然の中の一部なのですから・・・
- a seed 現代自然派調理研究家&プロデューサー Jeff -
元々臨床検査会社に勤めていた所から健康的な食事に
興味を持ち、現在は静岡県焼津市の会員制レストランで
食事と健康についての研究や料理プロデュースをやらせて頂いております。
https://www.facebook.com/aseed.jp
過去記事は目次代わりにpinterestに貼ってありますので、いつでもご覧ください。