原木椎茸のバターソテー!
本日ご紹介するのは、先日のワイン会でご提供し、大変評判の良かった、椎茸のバターソテーです!
こちらは、まさに素材の味を最大限に生かした、シンプルながらも、とても美味しいメニューです!
椎茸は、地元千葉県の、椎茸の傘が開ききる前のものを使用!
ちなみに、椎茸は大きく2種類に分けられます。
それが、どんこ(冬菇)とこうしん(香信)です。
どんこは寒い時期ゆっくりと生育し、傘が開ききる前(6部開き位)に収穫したもの。
厚肉丸形でしっかりした歯ごたえが特徴です。
その中でも、傘が割れた花どんこと呼ばれるものは、最高級で大変高価なものとなっております。
一方、香信は、どんこから傘が少し開き7部~全開になったもので、
厚肉、中肉、丸形、変形と色々な形があります。
普段使いに適した品種です。
さて、スーパーなどで椎茸を見かけると、「原木椎茸」と「菌床椎茸」と二種類表示があるかと思います。
椎茸は、野菜の中でも珍しく、
成長過程の表記がJAS法によって義務化されており、干しや生を問わず、必ず示さなければならないのです。
なぜ、椎茸に関してだけ、これほど明確に示す必要があるのでしょうか。
・原木椎茸と菌床椎茸の見た目の違い
原木や菌床といっても、基本は同じ椎茸ですので、見た目はほとんど一緒です。
しかし、菌床栽培の方が、形がよく、肉厚なものが多いといえます。
その秘密は、菌床に含まれる化学肥料と空調が完備されていることだといわれています。
一方で、原木栽培では、椎茸が自らの生命力を振り絞って原木の皮を破り、
やっとの思いで出てくるため、その時にできる傷や圧迫、または、日々の温度や湿度の違いから、
菌床栽培と比べ、形がいいとは言えません。
・成長スピード
菌床から椎茸を出すのにかかる期間は約6か月
原木から椎茸を出すのにかかる期間は約1~2年間
菌床椎茸は、先にも述べたように、化学肥料が含まれていることから、成長はものすごく速いです。
それに比べ、原木椎茸は、木が持っている
自然の栄養素だけで育てていくため非常に時間がかかります。
・味と香り
菌床椎茸と原木椎茸の圧倒的違いは、なんといっても味と香り。
木の栄養素で手間ひまかけて栽培した原木椎茸と、人工的に菌を凝縮させて椎茸の形にしただけの菌床栽培では、
やはり味と香りが全く違います。
原木椎茸には、濃厚な味と森の香りがしっかりとしみこんでおり、
一方、菌床椎茸には、椎茸と呼べるだけのそれはありません。
また、干し椎茸においては、出汁のでかたは一目瞭然。
菌床椎茸で作った干し椎茸では何の味もしないというのが実情です。
このような違いが、原木椎茸と菌床椎茸にはあります。
平たく言ってしまえば、原木栽培は辛いけど味がいい。
菌床栽培は楽だけど味が悪い。ということです。
そして、注目すべきは、野菜の栽培方法の表記義務が少ない中、椎茸に関しては、それを義務付けているということ。
つまり、それほどまでに全く異なるものだ、ということなのです。
見た目はほとんど同じでも、ほぼ異なる野菜だといっても過言ではないのです。
昔ながらの、本物の椎茸を、ぜひ、知ってください。
ありがとうございます。