安かろう、悪かろうが恐ろしい「ジェネリック医薬品」の真実! その1
〜週刊新潮8/27号より〜 今回は、週刊新潮さんの記事より、
『安かろう悪かろうが恐ろしい「ジェネリック医薬品」の真実』という記事をまとめましたので、ご紹介いたします。
「医療費2025年問題」
これは、団塊の世代の方々が後期高齢者になることで、国の医療費が未曾有の領域に突入する事態を指した用語です。
そんな状況下で、さながら救世主のように持て囃されているのが、
新薬の有効成分についての特許が失効した後に発売される薬のことです。
今年の5月に、塩崎厚労相が「17年度末にシェアを6割に」と、
従来より1年も前倒しにした目標を発表。さらにその上「20年度末には8割に」と、極めて野心的な計画を発表しています。
これでわかるように、ジェネリックによる医療費削減の効果はとても期待されており、国が大々的に動いているほどです。
ですが、その一方でジェネリックの安全性は、不安視されているのです。
なぜか?理由は幾つかあります。
そもそも、先発薬とジェネリックは、同じ薬ではありません。
一つ、ジェネリックとは、有効成分の特許が失効した後に発売される薬。
ですが、元の先発薬の全成分が特許切れになっているわけではない場合があります。
例えば、主要な成分が使えるようになっていても、
薬を溶けやすくする添加物や、特殊コーティング技術は特許が失効していないケース。
そのため、元の先発薬と主要な成分が同じでも、効き方に大きな違いが出てくることもあるそうです。
一つ、製薬会社の技術力の差。
先に挙げた成分特許のタイムラグの問題が解決しても、
同じ薬ができるわけではありません。というのも、製造方法の細部までは明らかにされないからです。
そのため、会社によってできる薬に差が生じるのです。
一つ、原薬の原産国による安全性の違い。
ジェネリックメーカーの中には、より安価な薬を作ろうと、
薬の原料である「原薬」をインドや中国、韓国などのメーカーに頼っている企業もあるのです。
だが、それらの国の原料には、虫の死骸や鉄くずが混入、なんてこともしばしば。
薬の製造においては、GMP(Good Manufacturing Practice)と呼ばれる、
品質、安全管理の基準が設けられていますが、それらの国のではGMP違反がかなり多いようです。
また、インドの製薬会社で、試験結果の改竄が発覚したり、
同工場の窓は閉めきることができず、中では数え切れないほど無数のハエが飛んでいた、なんて話も。
ただ、最近では特許の切れた後に、シェアの損失を最小限にしようと、
新薬メーカーが、子会社や特定のジェネリックメーカーに特許の全容を公開し、製造を許可する「オーソライズド・ジェネリック」なるものもあります。
このように、すべてのジェネリックが、安かろう悪かろうでで一括りにされるわけではないのです。
ですが、基本的には、安価なりのリスクがあります。
また、薬の中には、ジェネリックに切り替えないほうがいい薬もあります。
薬効を発揮する「有効域」が狭い薬が、それに当てはまります。
代表的なものだと、抗ガン剤、抗てんかん剤、心不全治療薬などです。
これらのジェネリックには、先発薬と同等の効果が証明されていなかったり、薬効にばらつきが生じたりする危険性があるため、注意が必要です。
たしかに、医療費の削減にジェネリックはとても貢献するでしょう。
ですが、我々素人からしたら、処方される薬のメーカーまでなかなか知ることはないし、知ってもよくわからないのが現実です。
あるアンケートの結果、医師の半数が「自分にジェネリックを処方するか」にNOと回答したそうです。
ですが、せめて「原産国の開示」はするべきです。
食品でさえ原産地表記がなされているのに、
食品より少量で、身体に大きな影響を及ぼす薬に、なぜ原産国の表示がないのか。不思議でなりません。
”クスリ”の”リスク”は最小限にすべきだと、私は思います。
普及率8割を目指すジェネリックの服用量は、
首尾よく「無毒」へと転じられるだろうか。。。
(週刊新潮8/27号参考)
その2に続きます。ありがとうございます。